2013/02/24 14:15:00
発売日に買ったのに、やっと読み終わりました。
最近、そんなに忙しいわけでもないくせに、電車の中くらいしか読書をしていません……。
さすがローリング氏、登場人物から登場人物へ流れるように視点を切り替えつつ文章をつなげていく手法を初めて見ましたが、本当に鮮やかで素晴らしい。
しかしこの本の最高の賛辞は、「全く以て酷すぎる」というようなものだと思います。
とにかくひどい。ドラッグ、階級差別、諍い、劣等感、肥満、教育、育児放棄・・・・・・
イギリスの現代社会の問題を痛烈に描いていて、その描写力に思わず目を覆いたくなってしまうほど。
読めば読むほど、「どうしてそうなってしまうんだ……!」と残酷な運命(作者の意図なわけですが、現実味を帯びすぎていて、そこがまた恐ろしい)に悶絶してしまいます。
読み終わって、感動して泣くとか、前向きなメッセージを受け取るとか、そういった、いわゆる「普通の読了後に起こりうる感慨」のようなものはありませんでした。
確かに希望は残されています。前向きに生きようとする登場人物もいます。
でも。
この、なんとも言えない……やるせなさというか、感情全てを通り越した後に見える虚無のようなものは何でしょうか。
物語の構成がレ・ミゼラブルに似ていて、しかし全く逆の進行をするわけです。
時を隔てた対なのかと思ってしまったほどです。
しかも英と仏なんて皮肉ですね。
ローリング氏が書いた時のエピソードが語られていました。
親しい友人を亡くした彼女は、深い悲しみと憤りを作品の中で解放したのでしょう。
痛いほどに伝わってきます。
次作にも期待大です。
英BBCでドラマ化されるそうです。日本に来るのはいつでしょうか、楽しみです。
宮本さま、コメントありがとうございます♪
無塩食セミナーの効果がばっちり出て、私も嬉しいです!
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